65 :ちわわ 2009/09/30(水) 06:01:42
ガラスの加工が趣味な社長が、大きな手術で入院していた俺の退院を祝って、カットグラスを作ってくれた。
桐の箱に入れて、綺麗にラッピングまでして、送り届けてくれた。
見た目は地味で少々変な所もあったが、手作り感があたたかい。大切にしようと思った。
箱から取り出してすぐに、宝物のようにして飾った。

夕方、外出していた妻が帰宅。
カットグラスと包んでいた包装紙(ワインレッドで花の柄が入ってた)を見て、
「これ女からでしょ!どう見ても女趣味な包装でしょ!」と、俺の話も聞き入れずヒスった。
妻がカットグラスを手に取ったので、必タヒにそれを取り返そうとするが、渡そうとしない。
もみくちゃになると妻は「そんなに大事なんだね!」とか言いながら玄関へ向かって走り、
次の瞬間、「キェー!!」という奇声を発しながら、石畳にカットグラスを叩き付けた。

社長が心を込めて作ってくれたカットグラス。
俺の為に、退院した日付と名前まで入れて、祝ってくれた物だったのに。
妻とはその翌年から別居している。